ご覧頂き有難う御座います、小林です。なかなか他参加者との差別化がしにくい既婚者合コン。できるだけ女性の方にチヤホヤされるためにハーバード大卒や10年総額7億ドルとかどんどん詐称していきたいですよね。カイロ大とかMIT卒とか言いたいし、この間ドバイに行ってきたとかって言いたい。
というわけで、仕事の関係で久々にお会いする機会があったために今回は都内既婚者合コン常連でもあるA氏（医薬品メーカー営業）がなぜ詐称し、そしてなぜバレないのかについてお話を伺って参りましたので、参考になるかは非常に微妙すぎる話なのですがご紹介したいと思います。
既婚者合コンにおける経歴詐称は、もはや「詐称」という後ろめたい言葉で片付けられるものではなく激戦区を生き抜くための「戦略的ブランディング」であり、一種の「エンターテイメント」とのことです。
目の前の女性が聞きたいのは、「正直に言うと、地方の国立大卒で、年収は平均より少し上です」というリアルでつまらない事実ではなく「NYウォール街で辣腕を振るい、今はアジアのスタートアップに数億を投資している」とか「通訳に巨額の横領をされたり」という、まるで映画のワンシーンのような非日常的な夢です。
詐称するなら徹底的に、そしてリアリティを持たせることが重要で「ハーバード卒」は鉄板ですが、肝心なのはその後のディテールで「ケネディ・スクールで公共政策を学び」「スタンフォードでAIの基礎研究に携わっていた」など、具体的な「専攻」や「研究テーマ」をセットにすると効果的。さらに「〇〇教授の教えで…」と、架空の著名な人物の名前を出せれば完璧です。
「年収5000万円」などとストレートに言うのは下品なのでスマートに「桁外れの数字」と「余裕」を演出するのが重要とのことで
- 「最近、趣味で始めた太陽光発電の案件で、初年度から8桁の利益が出たんだ」
- 「日本の会社の株は全部売って、今は東南アジアのインフラに集中的に投資してる。正直、そっちのキャピタルゲインの方が本業より大きいね」
とくに「10年総額7億ドル」のような、一般人にはピンとこない「海外の契約規模」を持ち出すと、一気に「異次元の人物」「ユニコーン」感が増します。聞いたことはあるけど一般人はあまり行ったことのないような国、バチカンやらモルドバとか知ってはいるけど行ったことなくて行くことも人生で恐らくないんだろうなというような国々をさも何回も行ったことがあるように話すというよくわからない感ある自慢も結構お勧めだそうで、とくにモナコGPに今年も行ってきたというのはなんだかセレブぽいってことでオススメらしいです。
とはいえ、ボロが出るのは怖い。そのための防御策も必要です。
- 「あ、〇〇大学ですか？すごいですね！」と聞かれたら、「実は在学中に起業してしまって、単位はギリギリだったよ（笑）」と答える。努力ではなく「才能」で押し切る。
- 具体的な仕事内容を尋ねられたら、「うちの会社は秘密保持契約（NDA）が厳しくて、具体的な事業内容はちょっと話せないんだ」と、「特別感」を盾に、会話を打ち切る。
いかがでしたか？小林 （オックスフォード大学サイバーセキュリティ学科中退）的にはこんなんで大丈夫なのかという疑問は最後までぬぐえなかったわけですが、本人的には「噓や誇張は大きければ大きいほどバレにくい」とのことで。まぁこれをエンタメとして笑いにまで昇華させるところまでの腕があれば楽しそうではあるとは思いました。今回のコラムがみなさまの今後のより良きコミュニケーションの一助になれば幸いです。
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